本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


<本 編>






∴‥∵‥∴‥∵ 迎えのクルマ ∵‥∴‥∵‥∴


投稿:RRRさん(女性)
執筆:雲谷斎



   私がいちばん怖い思いをしたのは、学校の外周の遊歩道でした。

   距離は2キロほどあるのですが、あまりに部活で遅くなったとき、
   よく父にクルマで迎えにきてもらいました。

   田んぼの中をうねうねと走る外周道路は、とても見晴らしがいいの
   です。
   ある日、そこを走って私のそばでクルマを停めた父は怪訝な顔を
   して、

   「あれ、友達は?」と訊きました。

   「何言ってるの? 私一人だよ」

   そう答えると、慌てたように父は黙ってクルマを走らせました。

   不審に思ってそのことを問い詰めると、驚いたことを言います。
   私の真ん前で向き合うようにして、少し古い感じの服を着た女の人
   が立っていたと。 

   父の話では、私がその女の人を無視してクルマに乗り込むと、
   女の人はクルマの助手席の窓にガシッとしがみつき、血走った目を
   して私を睨んでいたというのです。

   父はそれ以来、私を迎えに来るたびに寿命が縮むと真剣に言ってい
   ました。

   そしてある日、父に迎えに来てもらった私はとうとうその女の幽霊
   を見てしまったのです。



   
   
その女は、なんとクルマの中で、
   
運転する父にぴったり寄り添って首筋を撫でていたんです!



   父もわかっていたのか、「今日は、とうとう乗り込んできたな……」
   と強張った声で言いました。

   その日、父は私を家まで送って会社に戻る途中、大きな事故をしま
   した。
   相手はヤクザで、その事故により私たちは大変な目に遭うことに
   なったのですが、ひとつ幸運なことがありました。

   女の幽霊がヤクザに憑いていったのです。

   その後、女の幽霊を連れた事故相手のヤクザと数回出会いましたが、
   女は居心地がいいようで、私たちには見向きもしませんでした。

   ヤクザはそのことに気づいてないようです。
   気になるあの幽霊……いったい、どうなったのでしょうか。




  
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         <本編「迎えのクルマ」データ>

   ■原作投稿者:RRRさん(女性)
   ■2007年度 読者が選ぶランキンランキン第1位  85.38点
   ('07年に発行した逢魔が時物語」メルマガ掲載話の読者採点結果)

   投稿された話を大切にしながら、雲谷斎が加筆・執筆しました。

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