本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


<本 編>






∴‥∵‥∴‥∵ トラの死 ∵‥∴‥∵‥∴


投稿:大虎猫さん(男性)
執筆:雲谷斎



私は高校生のとき『トラ』という名の巨大な雄の虎猫を飼っていました。
大き過ぎたので鈍重でしたが、頭が良い猫でした。

私はT大学を受験し、模擬試験ではいつもA判定をとってたので、
合格を確信していましたが、残念なことに受かりませんでした。

合格発表の日、私が肩を落として帰宅すると、トラは耳の付け根を他の
猫に深くえぐられて苦しんでいました。

家族に訊くと、傷を負ったのは合格発表の時間とほぼ同時だったとか。
まるで、私とトラは一心同体のような気がしました。

数日後、この傷が癒えないまま、トラは急にやせ細り死期を迎えようと
していました。
ネコは死ぬとき姿を隠すと聞いていましたが、トラはまったく歩けな
かったのです。

衰弱していた頃、私がトラをバスケットに入れて運んでいたのです。




  
  
そんなトラが消えて……いなくなってしまったのです。




いなくなる二時間前まで私が介抱していたのですが、私がうたた寝を
したのを見計らったように姿を消したようです。
絶対に歩けるはずがないのに、本当に不思議なことでした。

いなくなる直前まで、トラは目を潤ませてお腹を私に向け、ゴロゴロと
喉を嬉しそうに鳴らしていました。

それはまるで、『今までありがとうね』と言っているようでした。

不思議なことに、夢の中でトラが帰ってくることがあります。
今トラは私に悪いことが起こる警告を伝えてくえるメッセンジャーです。

特に私の健康状態について……。恩返しのつもりなのかな。




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          <本編「トラの死」>

 ■原作投稿者:大虎猫さん(男性)
 ■2007年度 読者が選ぶランキンランキン第5位  73.75点
 ('07年に発行した逢魔が時物語」メルマガ掲載話の読者採点結果)

 投稿された話を大切にしながら、雲谷斎が加筆・執筆しました。

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