本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


<本 編>






∴‥∵‥∴‥∵ 清め塩 ∵‥∴‥∵‥∴


投稿:朔耶さん(女性)
執筆:雲谷斎



     数年前、私が通っていた高校での話です。
     その日、私は掃除当番のために図書室にいました。
     霊感の強い友達の怜子(仮名)も一緒でした。

     やっと掃除が終わり、鍵を締めたかどうかのチェックを二人でしている
     ときです。

     図書室の奥の方から、ギィィィィィ、バタンッ! という音がしました。

     それはまるで、古くて重い木のドアが閉まるような音でした。
     でも、変なんです。
     うちの学校、そんな重い音がするような古いドアはないんです。

     これは何かの聴き間違いだろうと、私は思うことにしました。
     でも、音は怜子にも聴こえていたようでした。

     「今、ドアが閉まる音がしたよね? 古そうなドアの音……」

     そう言った後、怜子が声をひそめて怖ろしいことを言うのです。

     「……その後にさぁ、小さい女の子の笑い声がしたんだけど」

     私には笑い声なんか聴こえなかったのですが、霊感のある怜子が言うこ
     とですから、本当に聴こえたのだと思います。
     怖くなった私たちは、逃げるように教室に戻りました。

     次の日、私と怜子はまた図書室に行きました。

     「ねぇ、この辺で音がしたんだよよね……?」

     そう言いながら私と怜子は、恐る恐る現場を調べるように音がした辺り
     まで近寄って行きました。

     と、そのときです!
          
ズゥゥゥゥーーン!




     何の前触れもなく、いきなり私の肩が痛いほど重くなったのです。
     それと同時に、怜子が私から飛び退くように離れて叫びました。

     「お願いだから、今は近寄らないで!」

     「どうしたの?」と訊いても、怜子は半泣きになって叫ぶだけです。

     「いいから! いいから、絶対近くに来ないでっ!」

     訳のわからないまま、私は怜子から離れたまま教室に戻ると、怜子が鞄
     の中から和紙に包んだものを取り出し、私に向かってポイッと放り投げ
     たのです。

     「何よこれ……? どういう意味?」

     私は少しむっとしながら、肩の重みに耐えながら訊きました。

     その和紙に包まれたものは、怜子がいつも常備している『清め塩』だと
     いうのです。

     「それで清めて来てっ! 早く!」

     真剣にそう言われ、私はトイレに走り、個室でその塩を肩や頭にふりか
     けました。

     制服の肩のあたりを塩で白く染めながら、私は教室に戻りました。
     すると、怜子が心配そうに様子を窺った後、ニコッと笑って私に近寄っ
     てきました。

     「さっきね、男の人が朔耶の肩にいたの。すっごい目で睨んでたよ。
      憑かれてしまう前でホントによかったね」

     怜子はホッとしたように言いました。

     その瞬間、逆に私は全身に鳥肌が立ってしまいました。




    
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             <本編「清め塩」データ>

     ■原作投稿者:朔耶さん(女性)
     ■2006年度 読者が選ぶランキンランキン第3位  75.81点
     ('06年に発行した逢魔が時物語」メルマガ掲載話の読者採点結果)

     投稿された話を大切にしながら、雲谷斎が加筆・執筆しました。

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