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ここは「染」の部屋です
−深夜の卓球− ■■■暁政さん(男性)からの投稿■■■ |
これは僕の母の体験した話です。 母は高校のバレーボール部に入っていました。 八月三日、母は合宿の最後の夜でした。 みんなは今日で終わるのが惜しいのか、夜遅くまで合同で寝る広い部屋で おしゃべりをしていました。 そして、とうとう先生が来て「もう寝ろ」と言いました。 みんなしぶしぶ布団に入りました。 それでも布団に入ってもヒソヒソ話がつづいていました。 一人が怖い話を始めました。 その話とは、好きだった先生が結婚することになって、そのショックで 自殺した先生がいて、その先生は卓球部でとても熱心な先生でした。 その先生が死んでから、体育館で夜中、手首だけが卓球をやっている という話です。 普通の話ですが、みんなの背筋をひんやりさせたでしょう。 そうこうしている内に、一人二人と寝ました。 そして、ついにみんな寝てしまいました。 母は突然、夜中の二時頃に起こされました。 起きて数秒で、異変に気づきました。 カツーン、コツーン……誰かが体育館で卓球をしているのです。 休まずにリズムを変えず、カツーン、コツーン……。 みんな硬直していました。 キャプテンが、虫が体育館の電灯にあ当たる音だろうと言いました。 しかし、誰かが「虫がたかるのは、電灯が点いてる時だけやん」と言い ました。 窓から見ると、電灯は点いていません。 カツーン、コツーン……という音だけが響きます。 いちばんの解決方法は体育館を見に行くことですが、誰もそんな勇気のある 人はいません。 結局、朝までその音はやみませんでした。 母は今でもこう言います。 「あの時見に行ったら、私たちは何を見ていたんだろう」 (td370) |